年上のひと

2007年9月9日
この間、急に飲むことになって、
職場の人と飲みに行ったときのこと。

最初の店に、遅れていったから、
頼んだ日本酒をすぐに飲まなきゃいけなくて、
一気のみしちゃったのだ。

まわるまわる。
酔っぱらって、すっかりご機嫌になり、
案の定泣き上戸になってしまった。

同僚が、こどもがもうすぐ生まれて、
ちょっとそれが感情の波を立てたし、
久々に強いお酒を飲んで、リミッターが振り切れたのもある。

少し泣いてしまって、
仕方ないからカラオケを抜け出して、
追いかけてきてくれたのは、
同僚の男の子と、今年移動してきた、ちょっと上のひと。
同僚の男の子の声に、救われた。
でも、やっぱり話せなかった。

その場にもいられなくて、
店の外にちょっと、といって出てしまって、
年上のひとが追いかけてきてくれて、
もう、号泣だった。

「言ったら楽になるって」
とか、
「大丈夫、ちゃんと忘れる」
とか、
そういう言葉に引き出されて、
ぽろぽろと話し出して、もう止まらなかった。

夫のこと。
父親のこと。
祖母のこと。

「話しやすくするために言うけど」
と、その年上のひとは、
彼の離婚と、中学生になる子どもと、そのあと7年付き合った人との別れを、
話してくれた。

「メール教えとくから、辛くなったらしておいで」
と、赤外線でピピッとした。

年上のひとには、きっと、わたしのことは、他人で、
だからこそ、安心して話せた。
誰にも言わないだろうし、
かといって、月曜から特に話しかけてもこないだろうし、
プライベートで寄ってくることもないだろう。
そして、またいつか泣いてしまったら、
静かに話だけ聞いてくれると思う。
そして、なにもしない。関係ないから。
そういうの、求めていたと思う。

年上のひとの、二の腕を借りて、
額をつけるようにして泣いたわたしの髪を、
静かに、梳いてくれた。
わたしはあの日の瞬間だけ救われた。
そういう場所があるよ、って、言ってくれた。
他人なのに、そういう場所をくれるのは、本当にありがたい。

 
 
もうしばらく、頑張る。

「話しな」
って言ってくれたけど、
それはなかなか難しい。
けれど、けれども、
それがやっぱり大事なんだってことも、
認識させてもらった。

 
 

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